lealue’s laboratory sp❇

400ものテーマピッカーからの宿題。いちばん私らしい私が居るかもしれない。

お題 『流れ星🌠』8/400

いつでも急に何か言い出す。
「おい、富士山に登るぞ。」

また始まった。父のアホ発言!
山登りなんて、誰もしたことない
でしょうよ!
道具も無いし、ルートだって
わからない。
だいだい体力的にも厳しいでしよ!


17歳の夏休み。
忘れられない夏休みになる。


父は山梨の人間で、夏は富士山に
登る人が家から見えたと言う。
夜、松明の明かりが続く富士山に
何本も光の筋が山頂に向かって伸び、
綺麗だったらしい。
子どもの頃からの記憶は、いつか俺も
登ってやると、
それがこの日になった。


とにかく、なんだかんだ私たちは
富士山にトライした。休み休み進む。
ルートを迷子になり、夜の装備もなく
雨に降られ凍えながら登った。


目の高さに広がる星空。
流れ星など、探さなくともたくさん
流れている。あちこち流れまくりだ。
星の数が尋常じゃない。
ラメやグリッター??
ギラギラ きらきら ピカピカ✨

何て綺麗なんだろう!

空の闇の色も違う。
やっぱり、世界は美しい。
色彩に溢れ、造形に満ちている。


麓の花火大会が遥か下に見える。
人が作り出す美も、確かに美しい、
でも、今、目の前に広がる星空に
敵わない。


死ぬんじゃないか?くらい登山は
辛かった。でも、何物にも変えがたい
経験ができた。
達成感はこれまての人生には無いほど 
ある。
どんなに辛くとも、富士登山ほど
ではない。
どんなことにでも、まぁ堪えられる。

父よ、有り難うございます。
プライスレスな経験を!



Lealue🗻